寝言戯言

嘗てギターの先生に普段家の中でドアを開ける時も左手で開けるようにしていると聞いた事がある。無意識に習慣的に右手を使いもし指を挟んだら演奏を控えている時など大変な事になる。外科手術の名医の記事でも同じような話を聞いた事があり普段からゴルフもやらない、指先の神業的な感覚を保つ事には常に注意しているそうだ。指先は脳の働きと深く繋がっているそうで指を動かす事は体に良いとは良く言われる。その点ではギター弾きは運動神経が何もしない人よりは大分発達していると自信を持って良いと思う。ところが歳を取るとそうも言っていられなくなり上げたつもりの指が上がらない、意に反したタイミングで勝手に指が動いてしまいコントロールが効かない。高齢者が家の中でちょっとしたものに躓き転んで大怪我をする事がとても多い、指先も大事だけど足元も大事、脚下照顧、すこし話の脱線ついでに嘗て通勤時代、車内で横に並んだ女性のつり革の手が余りに美しくてビックリした事があるけれど手タレではないけれど花などを摘まんで写真を撮る時そのような手型があれば良いだろうしそんなグッズがあれば売れるのでは。

プードル　ワンちゃん ミノムシ 仙人草があちこちで咲き出した ＜寝言戯言＞一つ出したら一つ片付ける、これが出来たら苦労はしない。机の上、テーブルの上、部屋の中、いつの間にか積み重なり肝心な物は出て来ない。一番の原因は取り敢えずちょっとの”仮置き”。そこで解決法を考えてみると、予めきちんと場所を確保する事。その為には不要なものは処分し重複する物は纏める事。2，3本で事足りる筆記具が何で何十本も転がってるのか。ここ迄考えてさあどれから手を付けようかと思うと心臓が苦しくなって来た。陽気も良くなって来たからたまには少しづつやってみるか。

考えても分からない事は考えない。狭い散歩道で道路真ん中に急にカニが出て来た。勿論時空を超越して急に出て来た訳では無いので自分が気付いたのが目前と言う事。珍しいし面白いので反射的に写真に撮ろうと思った途端に車が進入して来た。道路脇に身を寄せながら瞬間的にカニの存在をジェスチャーで伝えようかとも思ったけれどいくら何でもそこ迄は出来ない。車輪の位置とカニを見比べてどうなるかと思った瞬間車は通り過ぎて行った。後にはぺしゃんこになったカニが残った。カニを見つけて車が通り過ぎる迄わずか数秒。もやもやした思いを家まで持ち帰った。人間もカニも時空を共にしている。今いる自分も同じ事、明日朝があるかも神様しか分からない。人に迷惑をかけないで精々安酒でも飲んでギターを楽しんでひっそり日を送る位、それ以上何を望むか。禅語にある”独座大雄峰”はこんな事を言っているのか。 ＜ギター録音　2022.7.21＞ Romance: Rene BartoliRene Bartoliさんは1941年フランス生まれのギタリスト、教授、作曲などに活躍されて来た方だそうです。